手付とは?条文の上をクリックすると根拠条文が見れます
売買当事者間において売買契約が成立した証拠として当事者間において交付された手付がどのような意味をもつかは、あくまでも両当事者間の合意の内容によって決定されます。
しかし合意の内容が不明確な場合にどのように考えるかについて民法は解約手付と推定しています(民法557条1項)。
すなわち一般に契約を解除するには相手方に履行遅滞とか,履行不能とかの債務不履行がなければ契約を解除することはできません(民法541条・ 民法543条)。しかし何ら特別の合意がなく手付が交付された場合には,買主は手付を放棄し,売主は手付金額の倍額を買主に返還すれば,相手方に債務不履行がなくても契約を解除することができます(民法557条)。
契約の解除は相手方が契約の履行に着手するまでにしなければなりません。これは解除する者自身が履行に着手していても相手方が履行に着手していないうちは解除権を失わないことを意味します。どのような行為を行えば履行に着手したといえるかについては,具体的事案に応じて決定され必ずしも明確な基準はありません。