熊本県菊池郡菊陽町の大田宅建事務所:ホームへ
 

申し込み証拠金とは?条文の上をクリックすると根拠条文が見れます

 分譲マンションや一戸建て住宅の売買において,正式の売買契約を締結する前に買主から分譲業者に対して「申込金」「予約申込金」「申込証拠金」という名目で5万円から10万円の金銭の授受がなされているのが一般的となっています。只、申込み証拠金の法的性質についての考え方は複数あり,判例も確立されていないようです。

 ひとつには、売買予約の手付と考える説

この説によると買主が解除するには,申込証拠金を放棄して解除することになるので返還請求は出来ないことになります。(民法557条

 次に,宅建業法違反と考える説

申込証拠金を授受する行為は同法に定める「手付について貸付その他信用の供与をすることにより,契約の締結を誘引する行為」の内,「信用の供与」に該当し,無効であるとする説(宅建業法47条3号

最後に,申込証拠金の交付は売買契約が成立したら手付金に充当することを停止条件とした分譲業者の預金説

この説によれば売買契約が不成立に終わると,預金の返還を受けられます。

 しかし、いづれにしろ申込証拠金を授受するときに申込書に本契約が不成立となった場合の申込証拠金の返還についての事項が記載されている場合には,その記載内容によって決定されることになるといえます。ですから申込金を相手方に支払うときは申込書に契約にいたらなかった場合の返還事項がきちんと記載されているかどうかのチェックをすべきでしょう。