熊本県菊池郡菊陽町の大田宅建事務所:ホームへ
 

仮登記とは?条文の上をクリックすると根拠条文が見れます

 仮登記とは将来の本登記の順位を保全するために予め行っておく登記のことをいいますが,大別して2つあります。

 ひとつは「登記の申請に必要な手続き上の条件が具備していないとき」であり,他のひとつは「所有権,地上権などの権利の設定,移転,変更又は消滅の請求権を保全せんとするとき及び右の請求権が始期付き又は停止条件付なるとき,その他将来において確定すべきものなるとき」となっています(不動産登記法2条)。

 このような仮登記を行っておくと,仮登記はそれ自体本来の対抗力を有しておりませんが,本登記をすると仮登記の時点において本登記をしたものとみなされるので,その本登記と矛盾する仮登記後の処分をすべて失効させ,すなわち順位保全の効力を確保することが出来ることになります(不動産登記法7条2項)。

 ではひとつめの「手続き上の条件が具備していないとき」とは,具体的にはその登記の申請に必要な書類が備わらないため,今すぐ本登記を行うことが出来ないといった場合がこれにあたると解されています。

 もうひとつの場合は,売主から買主への物件変動は未だ生じていないが,物件変動を生じさせる請求権が生じている場合とは,具体的には不動産の売買予約が成立した場合のように,所有権は未だ買主に移転していないが,将来において所有権を移転させるべき請求権を買主が有しているといった場合がこれにあたります。その他,農地の売買で都道府県知事の許可がないと所有権自体が移転しないように、物件変動そのものに始期付もしくは停止条件がつけられている場合があります。