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事業用借地権設定上の留意点は?

 事業用借地権とは、専ら事業の用に供する建物(居住の用に供するものを除く)の所有を目的とし、かつ存続期間を10年以上20年以下として借地権を設定する場合には、借地借家法3条から8条までの規定(存続期間、更新、建物の再築による期間の延長に関する規定)、同法13条(建物買取請求権)、同法18条(借地契約の更新後の建物の再築の許可)の規定は適用しないというものです。その結果、期間が満了すると、契約の更新及び建物の再築による期間の延長がないので借地権は消滅し、借地権者に建物買取請求権もないことから、借地権者において更地で返還しなければならないことになります。

 事業用借地権設定の留意点としては

@存続期間の定め

A建物が事業用であること

B期間が満了すると契約の更新がなく、借地権者に建物買取請求権がないことか 

 ら、建物は借地権者において取り壊し、更地で返還しなければならないこと

C事業用借地権の設定契約は公正証書によらなければならないこと。

 事業用借地権は、短期間で借地権が更新なく消滅し、通常の借地権と権利内容が著しく異なるので、当事者に事業用借地権であること及びその契約内容を認識させるため公正証書による契約を要件としたものです。したがって、公正証書によって為されない契約は、事業用借地権としては効力を生ぜず、普通借地権とみなされることになります。