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家賃支払に関わるトラブル対処

 家賃の滞納には「お金がない」「うっかり忘れた」などの理由があげられますが、いずれにしても契約時の約束を破ったことにかわりはありません。借り手としては「多少支払を延ばすくらい構わないだろう」といった気にもなりますが、滞納した時又は滞納せざるを得なくなったとき、まづ契約書を見てみましょう。

 例えば、こう書かれていたとします。「借主は貸借料翌月分を毎月O日までに貸主に支払うものとし、万一一回也とも滞納せる際は敷金の有無にかかわらず何らの催告を要せずして本契約を解除し、借主は即時明渡すものとする」つまり、この例だと1ヶ月分の家賃を1日でも滞納すれば、家主は催促なしに借主を追い出すことができるのです。たとえ敷金を払っていても、借主は文句をいえません。とはいえ、遅れが出たら一度は催促するのが常識。「うつかり忘れていた」場合もあるのだし、支払う能力や気持ちのある人を追い出すことは、特別な理由のない限り家主のメリットにはならないからです。裁判所に持ち込んでも、一回のしかも多少の期間遅れを理由に即刻明け渡しという言い分は認められにくいようです。一般的には、1ヶ月分くらいは多めに見てくれるケースが多く、この場合とりあえず敷金から家賃分が差し引かれます。

 しかし、安心してはいけません。家賃の支払は借主の一番重要な義務であることを忘れないで下さい。黙って払わないままにしておくのは非常識。家主からの信頼も失います。どうしても払えなければ、いつまでに払うかを支払日前に連絡し、支払を忘れて催促されたときにはお詫びを言うのがマナーです。

 契約更改時に家主が家賃を値上げするのは一般的な慣習。理由には物価の上昇などが挙げられます。このとき、値上げ幅が近隣のアパート・マンションに比べて不当に高いようなら、家主に申し入れてみましょう。契約書に「増額する」と書かれていても、本来、借主の合意なしに一方的に値上げすることは簡単には出来ません。

 話し合いの決着がつかないまま家賃の支払期日がきたときは、従来どおりの家賃額に、値上げ幅として妥当と思われる金額を上乗せして支払うとよいでしょう。それでも家主が不満を言って受け取らないときは、「供託」という手段があります。

 これは、受け取りを拒否された家賃を「供託所」に預けておく方法で、家主から債務不履行で訴えられることを防げます。新しい家賃が確定するまで続けた方がよいでしょう。家主は家賃増額の裁判を起こす権利を持っています。もし裁判となったときは専門家に相談することをお勧めします。

ルーム・ホーム 住ムーズガイドより抜粋