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不当な立退き宣告には?

 契約違反もしくは火事、地震、台風などで部屋が壊れでもしない限り、今日にでも部屋を出なければならないことなどありえません。ところが、家主が都合のいい理由をつけて「今月中に出ていってくれ」などと要求することはありえます。そうなると、借り手であるあなたは当然困るはず。次に住む部屋は簡単には見つからないだろうし、引っ越すにはお金もかかります。家族で住んでいる人ならなおのこと.「はいそうですか」と明渡すわけにはいきません。

 もし、納得のいかない明け渡しを言渡されたら、慌てずに家主との話し合いを持ちましょう。肝心なのは、理由を明確にすることです。明渡し要求の理由が法的に認められなければ、あなたは出ていく必要はないのです。契約は自動更新されます。その際適用される法律は「借家法」といい、家主の側に特別な事情がなければ、明渡しは認められないことになっています。

 借家法に示される「正当の事由」とは、「建物の破損がひどく、改修(建替え)が必要なとき」や「そこで商売をしなければ家主の生計がたたない」「その土地を売る以外に家主の生計をたてる方法がない」などを指します。もし、立退きを要求され、その理由が法的に認められたとしたら、基本的に立退き料を家主に請求できます。

 立退き料の額はケースバイケースです。例えば、「老朽化による建替え」で部屋を明渡すとしましょう。この場合、まづ引越しにかかる費用を請求できます。このほか転居先の家賃が現在の家賃より高くなる場合は、現在の家賃と新居の家賃の差額の2、3年分を補償してもらうのが相場と考えてください。ただし、今の部屋に比べ格段ハイクラスの部屋に住めば、当然家賃の格差は大きくなるわけで、2、3年分の請求を承諾してもらうのは困難です。いずれにせよ、建替え後に再入居できるのか、新築後の家賃はいくらかなど含め、家主とじっくり話し合うことが大切です。又、同じアパート・マンションの住人との意見交換はぜひともして下さい。立退き料は妥当か、人によって提示金額に差がつけられていないかなど、同じ立場の者同士で話をすれば不当な立ち退き条件を受け入れる恐れも少なくなり、あなた自身心強くなるはずです。家主との交渉も、1人で行うよりも住人全員で意見を取りまとめて行う方が効果的なこともあります。

ルーム・ホーム 住ムーズガイドより抜粋