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宅建業者に支払った手付金等の保全は?

条文の上をクリックすると根拠条文が見れます

 最近の宅地・建物の売買においては,宅建業者が自ら売主となり,しかもその造成又は建築完成前に契約が締結され,代金の一部が目的物の引渡前に支払われる場合があります。そこで業者の経営不振などの事情により工事が予定通り完成しないときには、買主は物件の引渡も手付金等の返還のいずれも受けられない危険があることになります。そこで,このような買主の損害の発生を防止するため,宅建業法41条は,宅建業者が自ら売主となる,未完成時における宅地・建物の売買契約についての、引渡前の手付金の授受について,一定の保全措置を講じた上でなければ,手付金等を受領してはならない旨定めました。

 この保全措置として法の要求するのは次のいずれかです。

T.銀行等との間において,取引業者が受領した手付金等の返還債務を負うこととなった場合において,当該銀行等がその債務を連帯して保証することを委託する契約を締結し,かつ,右の保証委託契約に基づいて当該銀行等が手付金等の返還債務を連帯して保証することを約する書面(保証書)を買主に交付すること

2.保険事業者との間において、取引業者が受領した手付金等の返還債務の不履行により買主に生じた損害の内少なくともその手付金等の額に相当する部分を当該保険事業者が埋めることを約する保証保険を締結し,かつ,保険証券又はこれに代わるべき書面を買主に交付すること

3.保全措置の例外

@買主につき所有権取得の登記がなされたとき

A前金の額が代金の100分の5以下であり,かつ,宅建業者の取引の実情及びその取引の相手方の保護を考慮して政令で定める額以下のとき

 

 ところで,契約締結にあたり,あまり高額な手付を交付させると,買主が事実上契約を解除することが困難となります。そこで宅建業法39条1項は,業者は代金の2割を超える金額の手付は受領できないものとしました。これに違反した金額の手付を受領した場合には,業者は超過部分について手付であることを主張できないこととされています。

 又,ローンの問題で゜すが,宅建業法では,ローン不成立の場合の措置につき,重要事項として業者に書面(物件説明書)を交付して説明すべき義務及び契約を締結したときには,その内容を記載した書面を交付すべき義務を課して依頼者の保護を図っています。