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不動産業と I Tに関する小作文

 護送船団方式に守られながらかろうじて崩壊を免れてきた日本経済も、グローバルスタンダードといわれる実質アメリカの世界制覇の大波の中でいまやIT(情報技術)に関しては、アジア諸国の中でもビリから数えた方が早いほど立ち遅れているのが現状といわれています。あの”鮫の脳の持ち主”と新聞記者たちから囁かれている体格だけは充分貫禄のあるM首相が国民の人気取りで、いきなりIT革命なるものを打ち出してきたのも、本当に今の日本経済に対しての危機感から来るものなのかは大変疑問が持たれるところです。しかし、IT先進国であるアメリカのここ10数年の流れ、つまり1990年頃の日本経済のバブルの絶頂期に日本によるアメリカ本国の数々のシンボリックなアメリカの建物等が日本のバブル成金達によって買い占められた歴史を見るとき、アメリカ国民はちょうど第2次世界大戦の勃発による日本の真珠湾攻撃を想起したのではないかと思われます。しかしながら、その後の10年を見るとき日本とアメリカが今、ここまで差が開くとは誰しも予想がつかなかったことではないでしょうか。日本では”失われた10年”であっても、アメリカでは実に”飛躍の10年”であったのではないかと思われます。

 プロローグが長くなりましたが、今日新聞雑誌等でITに関する記事が載っていない日はないほどITにかんする記事が氾濫しています。携帯電話やパソコンの普及率もうなぎのぼりで、近い将来において普及率だけはテレビに追いつくのではないかと思われるほどです。いろいろな分野においてもどうやってITとリンクさせながら、その分野の成長を図っていくかという議論がいろいろなところで沸き起こっています。ITが、あの産業革命を超えるのではないかという議論も耳にすることもあります。

 私が現在生業を立てている不動産の仕事においても、実に徐々にではありますがITの波が小波程度に打ち寄せてきているようです。不動産業界はITに関しては実に後進国なのです。各都道府県に社団法人宅地建物取引業協会というものが存在し、対消費者に対しても大きな信頼を得、また業者に対しても強いイニシァチーブを発揮してきたものと思われます。情報を大きな飯の種としており、また社会適応業とまでいわれる不動産業界において、各々の不動産業者の大半が未だにパソコンなどの情報機器を駆使していない現実が厳としてあるようです。それは不動産業に従事している就労者の高齢化が大きな原因になっているのではないかと思われますが、ITを縦横に駆使している業界では実に情報のやり取りなどを見ていても、立ち遅れている業界に比べて数倍、いや数壱拾倍、はたは数百倍のスピードで仕事が処理されているのではないかとさえ思われます。まさに情報格差の現実がはっきりと露呈してきているのです。ただ、早いか遅いかという問題ならばたいした事はないのですが、このことが貧富の差にもつながっていくかと思うと、ITに関して立ち遅れた業界や国は急激にスラム化していくのではないかとの危惧感を抱くこともあながちオーバーとはいえないのではないかと思われます。