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民法370条の抵当権の場合の附加一体物、民法608条の賃貸借の必要費・有益費償還請求の対象物、借地借家法33条の造作、民法242条の附合物、民法87条の従物、それぞれの定義と相互の関係について復習すべきと思います。

第242条不動産の附合

不動産ノ所有者ハ其不動産ノ従トシテ之ニ附合シタル物ノ所有権ヲ取得ス但権原ニ因リテ其物ヲ附属セシメタル他人ノ権利ヲ妨ケス

昭和38年5月31日 最高裁第二小法廷 判決

所論増築部分が甲建物と別個独立の存在を有せず、その構成部分となつている旨の原審の認定は、挙示の証拠に照し、首肯するに足りる。このような場合には、右増築部分は民法242条により甲建物の所有者である被上告人の所有に帰属し、上告人は右増築部分の所有権を保有しえず、従つて、その保存登記をなしうべきかぎりでない。

所論は、原審適法の事実認定を争うか、または、独自の見解に立つものであつて、採用しえない。

昭和34年2月5日 最高裁第一小法廷 判決

原判決は、被上告人所有の改造途中の所論工作物を利用し、造作等一切を上告人の負担で取付ける等の約束で、本件賃貸借が成立するに至つた事実を認定し、その完成された建物の所有権の帰属については、結局民法242条本文の附合により被上告人の所有に帰したものである旨を判示しているのであつて、右認定・判示は、原判決挙示の証拠によつて是認することができ、別段所論の違法は認められないから、論旨はいずれも理由がない。

弁護士中山知行