耐震基準適合証明書(既存住宅瑕疵保険含む)の取得によるメリット
 築20年超の戸建住宅、築25年超のマンションについて耐震診断適合証明書が得られた場合のメリットについて以下のとおり説明させて頂きます(なお、耐震基準適合証明書以外に「既存住宅売買瑕疵保険の検査・加入による方法もあります)。


 最大400万円の減税が受けられる住宅ローン控除
 
● 毎年の住宅ローンの年末残高の1%が10年間、所得税から控除されます

 売主が一般人の場合:毎年20万円(借入年末残高×1%)を限度に10年間、最大200万円の控除(還付)

売主が事業者の場合:毎年40万円(借入年末残高×1%)を限度に10年間、最大400万円の控除(還付) 

 ※ 購入者が会社員の場合は1年目は確定申告により年末調整によっても戻ってこない所得税額を限度に年末残高の

1%のうち上記の20万円又は40万円を限度に還付が受けられます。
  2年目以降〜10年目までは年末調整によって同様に計算し還付されます。

 ※ 自営業者など確定申告が必要な方は、確定申告によって算出した所得税を限度に年末残高の1%のうち上記の20

万円又は40万円を限度に控除し、所得税が減額(源泉所得税を申告前に支払っている場合は還付)されます。

 ● 所得税の減税(還付・控除)しきれない場合は、翌年の住民税からも控除されます

   売主が一般人の場合:毎年、限度額20万円から所得税を控除・還付しきれない額のうち9.75万円を限度に住民税が控除されます。

   売主が事業者の場合:毎年、限度額40万円から所得税を控除・還付しきれない額のうち13.65万円を限度に住民税が控除されます。      
      

登記費用が減額される
  引き渡し決済日(=登記申請日)までに耐震基準適合証明書の提出により最寄りの市町村から住宅用家屋証明書を取得し登記申請に添付することで以下のとおり、建物の所有権移転と住宅ローンの抵当権設定の登記申請の際に納付する登録免許税(印紙代)が減額されます。

● 建物の所有権移転登記の登録免許税が固定資産評価額の約20%から約0.3%に減額される

       例) 建物の固定資産評価額300万円の場合 
           6万円(2%)−0.9万円(0.3%)=5.1万円の減額(節約)

● 抵当権設定登記の登録免許税が借入金額の約0.4%から0.1%に減額される。

       例) 借入金額が1700万円の場合
           6.8万円(0.4%)−1.7万円(0.1%)=5.1万円の減額(節約)

    ※以上の例による減額(節約)の合計額10.2万円    
         

その他の非課税・減額制度
    現状のままで耐震基準適合証明書の取得ができた場合のその他のメリットとしては以下のものがあります。

● 住宅取得資金贈与の非課税限度額の適用
  父母・祖父母(年齢問わず)から非課税(平成27年の一般物件1000万円まで)で住宅資金の贈与を受けるためには、耐震基準適合証明書が必要となります。

● 住宅取得資金贈与の「相続時清算課税の特例」の適用
  父母(年齢問わず)から住宅資金の贈与(2500万円まで)を受けるためには、同様に適合証明等が必要となります。
      ※ 通常の「相続時精算課税の選択」を利用する場合は適合証明は不要です。

  不動産取得税の軽減

但し、昭和57年1月1日以降の建築であれば耐震基準適合証明書の取得は不要です。
      詳しくは、最寄りの道税事務所にお問合せださい。    

住宅ローン控除適用の要件      

   築20年超の一戸建、築25年超のマンションの購入について住宅ローン控除の適用を受けるためには、耐震基準適合証明書の取得以外に次の要件を満たすことが必要となります。
   ※税制は、随時変更される場合がありますので詳しくは、当事務所又は最寄の税務署にお問合わせください。

● 耐震基準適合の現地調査日がその既存住宅を取得(実務上は引渡日=登記申請)日前2年以内であること

● その既存住宅を取得時に生計を同じくしており、取得後も生計を同じくする親族や特別の関係にあるものから取得したものではないこと。

● その既存住宅を贈与によって取得していないこと

● 取得日(実務上は引渡日=登記申請日)から6か月以内に入居し、適用を受ける各年の12月31日まで引き続き居住し続けること。

※ なお、登記費用の軽減も受けるためには、取得日(引渡日=登記申請日)にはその既存住宅に住所を移転(転居)していなければなりませんのでご注意願います。

● その既存住宅の登記簿上の床面積の合計が50u以上あること
※ マンションの登記簿上の床面積は、専有部分の床面積で判断します。

※ 店舗や事務所と併用となっている場合でもその部分を含めた建物全体の床面積で判断します。

※ 夫婦や親子が共有で購入する場合でも持分の床面積ではなく、建物全体の床面積で判断します。

● その既存住宅の床面積の2分の1以上が自己の居住用であること
※ なお、登記費用の軽減も受けるためには、床面積の90%超が自己の居住用である必要がありますのでご注意願います。

● 一定の借入金又は債務(住宅と共に取得するその敷地の土地の借入金も含む)は、10年以上の分割払いであること。
※ 対象となる借入金
 ・ 銀行、信金、信組、JA、などの金融機関 但し、勤務先から時価の2分未満で取得した場合は対象外となります。
 ・  勤務先の融資 但し、無利息や1%未満の利息、補助金の支給により実質1%未満の利息となるもの、役員が借りる場合はその借入金は対象外となります。

       ※親戚・知人からの借入れは対象外です。

 

● 居住した年及びその前後2年の合計5年間において、マイホームを売却し、譲渡所得が発生した場合に下記の特例を利用していると、買い換えた住宅の住宅ローン控除は受けられなくなります

1 居住用財産を譲渡した場合の3000万円特別控除
  マイホームを売却した場合、譲渡所得金額の計算において譲渡益から3,000万円が控除するもの。

2 所有期間10年超の譲渡の軽減税率の特例
  所有期間が10年を超えるマイホームを譲渡した場合、3,000万円の特別控除後の譲渡益に対して税率が低くなるもの。

3 マイホームの買い換えの特例
  所有期間10年超、居住期間10年以上の場合、買い換えで取得した資産が、売却した資産の価額以上だった場合、譲渡はなかったものとして課税されないもの。

※ 売却して譲渡所得が発生する場合は、上記の特例を受ける方が良いのか、それとも買い換えた住宅の住宅ローン控除(減税)を受ける方が良いのか慎重な判断が必要となります。

住宅取得資金の贈与を非課税等の特例を利用した場合、借入金と贈与額の合計金額が住宅の購入価格を上回る時は、購入価格から贈与金額を控除した額を住宅ローン控除の対象借入額とします。

        例) 購入価格 3000万円 > 3500万円(借入金額2000万円+非課税の特例金額

1500万円)

           住宅ローン控除対象借入額:3000万円−1500万円=1500万円

※ 非課税等の特例とは、「住宅取得等資金の贈与の非課税」又は「相続時精算課税選択の特例」をいいます。通常の相続時精算課税の選択を含めどれが有利か慎重に判断する必要があります。
          詳しくは、当事務所又は最寄りの税務署にお問合せ下さい。

耐震基準適合証明書の取得について

● 決済前に証明書を取得する必要があることから契約締結後、直ちに手配する必要があります

決済・取得日(実務上引渡日=登記日)前に耐震診断証明書が取得できないと現状のままでは住宅ローン控除や登記費用の軽減等の適用を受けることはできません。
ところで耐震基準適合証明の調査のためには、必要な建築図面や建築確認通知書・検査済証などの書類が準備されてから事前調査(主に机上で建築データーを入力し、コンピューター診断するもの)を行い、これにパスした物件について、実際に現地調査(図面どおりの施行か、劣化状況、地盤の強弱など)を行い、最終的に耐震基準をクリアーしていると判断された場合に証明書が発行されることから、相当の期間を要します。

また、耐震基準適合証明書の依頼は所有者である売主がしなければならないことなっているので、売主様のご協力も必要となります。