都市計画法が改正され,これまで例外的に建築の用途制限を受けなかった既存宅地の特例制度が廃止されます。
既存宅地とは、市街化調整区域で一定の要件に該当する,昭和46年5月18日以前から宅地であった土地(住宅・店舗・事務所及び自己用・非自己用など、用途などに制限がなく,許可不要で建築可能な土地)をいいます。
対象地域は、熊本都市計画区域(菊陽町・熊本市・西合志町・合志町・益城町・嘉島町)となっており、制度が廃止される日は平成13年5月18日までの国が定める日となっています。
経過措置として、施行日前までに、県知事に「既存宅地」の確認申請を行えば,自己用の建物に限り,5年間は建築可能です。
(アパート・貸店舗・貸事務所・社宅など非自己用建物は,経過措置の対象になりません。施行日前までに建築工事に着手しなければ、建築できなくなります。)農業者住宅,農業用施設、医療、福祉施設など許可不要の建物を除き,既存宅地に施行日から5年以内に新築及び売却を予定されている方などは特にご注意して下さい。
詳しくは市町村役場の都市計画課に連絡して聞いてください。
既存宅地Q&A
(経過措置と特例の関係)
Q1
法定の経過措置と今回の特例に重複して該当する場合にはいずれが適用されますか。A1
申請者の選択によります。経過措置の方が手続が簡便ですが特例(許可)によることもできます。(特例適用の期間)
Q2
特例が適用される「当分の間」は法施行から5年間(既存宅地制度廃止の経過措置期間)を指しているのですか。A2
5年間には限定されません。今回の特例措置は暫定的なものであり、改正法に規定された条例(法34条8号の3:区域と用途を指定して立地を認める条例)が制定され区域が指定された場合には、その区域内においては本特例の適用を廃止する予定です。また、法令等により新たに立地基準が設置される場合にも、本特例の適用は廃止する予定です。これらが定められない場合には、本特例は経過措置期間(5年間)を過ぎても適用されます。
(特例適用の範囲)
Q3
既存宅地確認済みの土地における開発行為は特例適用の対象となるのですか。A3
第2種低層住居専用地域で建築が許容される建築物については対象となります。(用途制限)
Q4
第2種低層住居専用地域に許容される建築物はどのようなもですか。A4
住宅、共同住宅、150平方メートル以下の店舗、兼用住宅(非住宅部分が50平方メートル以下)などです。なお、「150平方メートル以下の店舗」は日用品を扱うものに限られます。
(形態制限)
Q5
建ぺい率、容積率の制限は、法定の緩和措置(角地特例等)の対象になりますか。A5
建築基準法等の定める緩和措置の適用対象となります。従って、角地の場合に要件を満たせば建ぺい率は「60%以内」となります。Q6
特例により建築した後に増改築・建替えをする場合、形態制限(建ぺい率50%等)は適用されますか。A6
適用されます。特例に基づき許可を受けた開発行為及び建築行為は、特例の制限の範囲内で増改築・建替えが可能となります。なお、許可を要さずに建築した建築物(「線引き前に建築した建築物」や「既存宅地確認を受けて建築した建築物」等)について、従前とほぼ同一の用途・規模・構造で増改築・建替えを行う場合は、許可不要であり、特例措置の制限は及びません。
(最低敷地規模)
Q7
敷地面積の「1区画の面積が原則として200平方メートル以上」の内容はどのようなものですか。A7
県の開発許可の技術指導基準である「全宅地数の60%以上が200平方メートル以上で、かつ1区画の面積の最小面積165平方メートル以上のもの」と同様です。Q8
「敷地面積の最低規模200平方メートル」には、宅地分譲の場合の旗竿(通路敷)部分が含まれますか。A8
含まれます。(その他)
Q9
既存宅地確認通知を紛失した場合には、確認済みの既存宅地の扱いがされないのですか。A9
通知がなくても開発許可権者が保存する資料で内容を点検できる場合には、確認通知があるものと同様に扱います。Q10
既存宅地確認を受けた土地に許可不要で非自己用建築物を建築できるのはどのような場合ですか。A10
建築確認を受けて法施行前に建築工事に着手することが必要です。この場合、建築物の根伐(基礎部分の掘削)が始められた場合には着手と考えられます。なお、法施行前に建築工事に着手しない場合には、既存宅地制度(許可不要)の適用を受けて建築することはできませんが、第2種低層住居専用地域に許容される建築物で、所定の条件を満たすものであれば、法施行において、特例により許可を受けて建築することができます。
既存宅地制度廃止に伴うQ&AU
都市計画法が改正され、その施行日(平成13年5月18日)から、市街化調整区域の「既存宅地制度」が廃止され、一般の市街化調整区域と同様の規制を受けることになりました。
ここでは、Q&A方式でその内容をご説明します。
Q1
既存宅地制度とは、どのようなものですか?A1
改正前の都市計画法第43条第1項第6号に基づく制度で、都市計画の線引きの際(佐賀市では昭和46年7月6日に市街化区域と市街化調整区域に分かれたとき)に市街化調整区域内で既に宅地であった旨の佐賀市長の確認を受けた土地では都市計画法上の許可は必要なく、建築物の新築や改築、用途変更ができるというものです。Q2
既存宅地制度は、いつから廃止されますか?A2
改正法附則第1条で「この法律は、公布の日(平成12年5月19日)から起算して1年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。」とされています。政令は平成13年3月30日公布され、改正法は平成13年5月18日から施行されました。Q3
既存宅地制度はなぜ廃止されるのですか?A3
現行制度上、市街化調整区域における特例としての「既存宅地制度」は、許可を受けて建築される建築物と比べて、周辺の土地利用と不調和な建築物が立地すること、建築物の敷地の排水、安全性等に関する基準が適用されないこと、線引からの時間経過によりその確認が困難になってきていることなどから、今回の法律の改正により制度が廃止されることになりました。Q4
既存宅地制度の廃止に伴う経過措置はありますか?A4
自己の居住又は自己の業務を行うことを目的とする建築行為に限り、@ 改正法の施行日の前日までに既存宅地の確認を受けた土地については、施行日から5年間
A 施行日の前日までに既存宅地の確認申請をし施行日以降に確認を受けた土地については、その確認の日から5年間は、従来どおり許可不要で建築できるよう改正法附則第6条に規定されています。
Q5
既存宅地確認の申請はいつまで受付けられますか?A5
改正法の施行日の前日(5月17日)で受け付けは終了しました。Q6
既に既存宅地の確認を受けているが、まだ建築していない宅地は、制度廃止によって建築に支障がでますか?A6
自己用の建築物は、施行日から5年以内であれば建築できます。Q7
「自己の居住用、自己の業務を行なう建築物」とは、どのようなものですか?A7
「自己の居住用の建築物」とは建築を行う者が自らの生活の本拠として使用する建築物をいい、「自己の業務を行なう建築物」とは建築主自らが業務を行うために直接かつ継続的に使用する建築物をいいます。従って、分譲住宅、賃貸住宅、アパート、貸事務所、貸店舗などは該当しません。
Q8
既存宅地の確認を受けた土地で、改正法の施行日以降、確認を受けた人以外の人が建築することができますか?A8
既存宅地の確認を受けた人と建築する人が異なっても、自己用の建築物に限り、5年間は建築できます。Q9
改正法の施行日までに既存宅地の確認を受けない場合は、なにも建てられなくなりますか?A9
市街化調整区域の許可基準(都市計画法第34条各号など)に該当するものは許可を受けて建築が可能です。(例:日用品店舗、分家住宅など)
また、農家住宅や公益上必要な建築物などは許可不要で建築できます。
Q4の経過措置の適用を受けない既存宅地(線引き前より宅地の確認ができる土地)について、佐賀県では暫定的な取り扱いを決められました。
「市街化調整区域内の既存宅地制度廃止に伴う暫定的な取り扱いについて」のページへ(クリックしてください)
Q10
既存宅地の確認を受けた土地に建築した建築物を改正法施行後に建て替えることは可能ですか?A10 用途変更の有無、建て替えの時期、建て替え後の使用目的別に整理すると次のようになります。
用 途 改正法の施行後 5 年 以 内 改正法の施行後
5 年 超建物の
用途変更なし 自 己 用 可 可(※)
自己用以外 可(※) 可(※)
建物の用途変更あり 自 己 用 可 不可
自己用以外 不可 不可
(※)従前規模(延床面積)の1.5倍を超える場合は建築許可が必要です。
Q11
線引き以前に建築された建築物を将来建て替える場合、既存宅地の確認を受ける必要がありますか?A11
同一規模(従前規模(延床面積)の1.5倍以内)で用途の変更がなければ、既存宅地の確認を受けなくても建て替えできます。