熊本県菊池郡菊陽町の大田宅建事務所:ホームへ

土地の件なんですが、各個人等に貸付ている土地を契約更新をしていないまま今現在使用している状況にあります。さかのぼって契約する事はできますか?もし出来るならどのくらいの期間をさかのぼる事ができますか?その時の土地代は請求できますか? 

さかのぼる事が出来ないのであればその分の土地代は請求できないですか?

変な質問ですがよろしくお願いいたします。

大田宅建事務所よりの回答

ひとくちに土地の賃貸借といっても土地の貸方により借地借家法の規定を受けたり、そうでなく民法の規定を受ける場合が有ります。あなたの質問ではそのへんのことがはっきりしていませんので(あなたにとっては遡って契約ができるかどうかという点がわかれば良いのでしょうが)

下記に借地借家法と民法の条文を掲げておきますので参照して下さい。

土地の賃貸借の契約更新時期が来たときに貸主が異議を述べずに、借主がその後引き続き土地を借りて使用しつづけている場合は従前の契約と同一の契約が為されたものと推定する民法第619条)と書かれていますように、たとえ更新契約を交わしていなくても最初の契約は効力を持ったまま現在に至っているわけですから、支払を受けていない賃料は遡って請求することが当然出来ます。ただ債権の時効の問題が絡んでくると思いますので、10年以内に請求することが必要と思います。(民法第167条)  

つぎにまた敢えて更新契約を交わさなくても最初の契約はいまでも効力を保っているわけですから、遡って契約を交わしたいのであれば交わしたら良いと思います。

ただ民法と借地借家法の土地の賃貸借の期間が違いますのでその範囲内であれば遡ることができます。

(借地権の存続期間)

借地借家法第3条  借地権の存続期間は、30年とする。ただし、契約でこれより長い期間を定めたときは、その期間とする。

(借地権の更新後の期間)

借地借家法第4条  当事者が借地契約を更新する場合においては、その期間は、更新の日から10年(借地権の設定後の最初の更新にあっては、20年とする。ただし、当事者がこれより長い期間を定めたときは、その期間とする。

(借地契約の更新請求等)

借地借家法第5条  借地権の存続期間が満了する場合において、借地権者が契約の更新を請求したときは、建物がある場合に限り、前条の規定によるもののほか、従前の契約と同一の条件で契約を更新したものとみなす。ただし、借地権設定者が遅滞なく異議を述べたときは、この限りでない。

民法第604条  賃貸借ノ存続期間ハ20年ヲ超ユルコトヲ得ス

若シ之ヨリ長キ期間ヲ以テ賃貸借ヲ為シタルトキハ其期間ハ之ヲ20年ニ短縮ス

 2   前項ノ期間ハ之ヲ更新スルコトヲ得

但更新ノ時ヨリ20年ヲ超ユルコトヲ得ス

2   借地権の存続期間が満了した後、借地権者が土地の使用を継続するときも、建物がある場合に限り、前項と同様とする。

民法第619条  賃貸借ノ期間満了ノ後賃借人カ賃借物ノ使用又ハ収益ヲ継続スル場合ニ於テ賃貸人カ之ヲ知リテ異議ヲ述ヘサルトキハ前賃貸借ト同一ノ条件ヲ以テ更ニ賃貸借ヲ為シタルモノト推定ス

但各当事者ハ第617条ノ規定ニ依リテ解約ノ申入ヲ為スコトヲ得

民法第167条  債権ハ10年間之ヲ行ハサルニ因リテ消滅ス