熊本県菊池郡菊陽町の大田宅建事務所:ホームへ

Q−地主の立場に立った本当の土地活用についてご教示下さい!

菊陽町で農業を営んでいるものですが,土地のほとんどが市街化区域内に有るため、土地の活用を図らないかとアパート建築業者や不動産業者が私のところに頻繁に訪ねてきます。しかし、話を聞いてみるとどれもこれも業者の利益があまりにも色濃く出すぎて、本当に私のための土地活用策を提案していないような気がして少々辟易としています。

 大田宅建さんのホームページはときどき見させてもらっていますが、地主の立場に立った本当の土地活用とは一体どのようなものと思われますか?

−菊陽町のように熊本市のベッドタウンに位置する場所で農業を経営していくということは、ただ単純に農業のことばかり考えてばかりはいられないというのが現実だと思われます。最近の農業が国際化して中国や東南アジア諸国との間で問題になっている「セーフガード」にもみられるように将来の農業経営には不安がつきものです。また農業経営を次世代にキチンと継承していく上でも、また相続の発生などにより多額の相続税のことなどでベストな対策を立てておくなど頭の痛いことを数え上げればきりがありません。

 私が不動産の専門家として土地の活用を考えるときのアドバイスとしては次のように答えています。

市街地農家にとって土地は生産基盤であるとともに、同時に足枷でもあると私は思っています。足枷であるという意味は市街地農家にとって相続の発生の度に何の対策も講ぜずに次世代に農業を継承していこうとする際、多額の相続税の支払のために必ずや生産基盤である土地の縮小、減少という現象が起こります。農業政策で「納税猶予措置」というものがあってそれをフルに利用したとしても、それには限界があります。ですから必ずや対策を嵩じておかなければならないというのが私の持論です。

私の考えでは市街地農家の場合の土地活用は

T・収益対策

U・相続対策

どちらか一方に偏りすぎていてはダメで上記2つの対策になっていなければならないと思います。

次に土地活用の基本的な種類としては

T・アパート・店舗・事務所等を借入金または自己資金で作る

U・事業用借地権を利用して建築の自己資金の投入を一切図らず、土地だけを企業などに賃貸して地代収入  

   のみを図る

V・遊休地を駐車場等として利用する

になるものと思われますが、私はいくら相続(税)対策になるからといって、適度な借入金ならばともかく、借入金を大きく増やしていくのは大変リスクのあることと思います。財産総額と借入金のバランスが極めて重要です。熊本でもバブル崩壊以降、住まいに対する考え方が徐々に変わってきています。持ち家にこだわるより,住み心地の良いところで生活を楽しむ。手頃だけど、豪華さもある、そんな都市型マンション・アパート需要が大きくなってきています。事業用借地に適した土地があまりなく、バイパス等の大きな土地に面していないアパート向きの土地に賃貸アパート等の建設に当たっては入居者の満足度も大切て゛すが、オーナーの事業性、建設費を含む収支が厳しく問われます。個人のオーナーにとって億単位の投資は大変なことだからです。

 私の持論では、まず第一に事業用借地に適する土地があれば、まづその方法を活用すべきです。事業用借地で土地のみを貸して毎月の定額不動産収入を図る。そうしてその上で、別の土地にアパート等を建てて、毎月の定額不動産収入の増大を図る。そうして毎月まとまった不動産収入が見込めるようにでもなれば、自分の相続発生のシュミレーションを立てて(初めから相続税が過大にかかることが予想されている場合には、まづシュミレーションをたてても結構です)、相続が発生した場合に備えての最良の資産の組み合わせを行っていくべきだと思います。

 相続税に対する対策は、土地の相続税評価額や保有する現金の額、借入金の額が毎年変動していくように、一度立てたからそれでいいというものではありませんので、毎年注意深く見守っていく必要があるものと思います。

 簡単ではありましたが、参考になりましたでしょうか?イーターネットでの相談は相手の顔が見えないというところに長所があり、同時に短所もあります。同じ菊陽町に住んでおられるのであれは゛、一度私の事務所にでもお越しください。面談していろいろ話をしていくなかで良いヒントも生まれるものと思います。インターネットも最終的には人と人が直接会うことによってその効果が出ます。遠隔地間の人の交流には最適かもしれませんが、狭い地域間ではやはり人と人が直接会うことが人間の交流としても大変大切なことと私は思っています。私のようにホームページを開いている利点としては、私の仕事に対する自分のポリシーなり知識等をホームページを通して伝えられるところに大きな意味があります。短い時間の面談・交流ではなかなか相手のことが把握できず、また口頭、口先だけではお互いに相手を信用することが難しいからです。私もホームページの内容については、より充実したものにするために日々勉強に励んで皆さんが知りたいことなどを載せていくよう努力していますので、今後ともよろしくお願い致します。

大田宅建事務所より  平成13年12月一日