熊本県菊池郡菊陽町の大田宅建事務所:ホームへ

29ヶ月家賃を滞納している住人がいるのですが、何度言っても払ってくれません。

家賃は住人がアパートの近くの我が家に持ってくるシステムをとっています。不動産屋に相談しても何ら良い答えは聞けず困っています。

もう家賃をすべて払ってもらえるように、そして、それが無理なら一刻も早く出て行ってほしいのですが、どうすれば良いか教えてください。

 

一般的にアパート等の賃貸借契約書では契約解除の項には家賃を2ケ月以上滞納した場合は家主の方から相手方に対して無催告で契約解除をすることができるというふうに記載されているケースが殆どです。貴方のように29ケ月も家賃の滞納がありながらいまだに契約解除もされずに賃借人がアパートに居座りつづけているというようなことはきわめて例外的なことと思われます。

しかし、それが現実の事とすれば放置しておくわけにはいかないでしょうから早急に手を打たねばならないでしょう。

借地法借家法(旧法においてもまた新借地借家法においても)では借地人、借家人に不利な特約は無効とされる事になっており、「 家賃を2ケ月以上滞納した場合は家主の方から相手方に対して無催告で契約解除をすることができる」という項は法的には双方の信頼関係を吟味、斟酌した上で無効かそうでないかを裁判所は判断する事になっています。しかし、29ケ月も家賃が滞納されているケースではそんな必要もないでしょうから早急に契約解除をして、もし可能であれば出来得る限りの滞納家賃の回収を図られるようにして下さい。

ご質問の中に 「不動産屋に相談しても何ら良い答えは聞けず困っています。」とありますが、通常不動産業者は家主との間でアパート等の管理委任契約が為されていない限り、ただ単なる入居者の紹介、斡旋を行っただけでは家賃の督促や明け渡しなどの行為は行わないのが普通です。入居者の紹介、斡旋行為のときに不動産業者が手数料を収受していたとしても、それは斡旋行為に対する報酬であって長期間の間に起こり得るいろいろな賃借人との間のトラブル等にはきちんとした管理委任契約が家主と不動産業者との間で為されていなければならないでしょう。

管理委任契約を結んでいれば不動産業者に対してうるさく言うことも出来ますが、それでも依然として賃借人の退去が出来ないようであれば、もう弁護士さんなりに相談する方法しかないと思います。訴訟という法律行為は当事者である本人が直接できますが、訴訟代理人になれるのは弁護士法で弁護士だけに限られています。

速やかに明渡し訴訟を起こされて、判決を裁判所からもらい明渡し強制執行をされるようにお勧め致します。