お世話様でございます。
インターネットで調べ、ご相談できる旨知しりましたので、お願いしたくメール致しました。
相談内容ですが、以下に記載してみました。
私の曾祖父さんが亡くなって50年ほどになりますが、150坪ほどの土地が財産分与されずに故人名義の
ままとなっているとのことで、相続人と称する人(以下、Aという)より先日話がありました。
Aは、曾じいさんの長男と内縁関係のあった女性(故人)の娘(
否認知)の子供(孫)です。曾じいさんには本妻(故人)と間に3人の子供がおりまして、もう亡くなりましたが長女が私の祖母で、Aの
父親である長男も亡くなり、存命しているのは次女だけです。(
相続系統図ファイルを添付していますので参照下さい。)遺言がありこの土地はAにやるとなっているらしいです。(昔の血判状の類で法的効力はないようとのこと)
Aは、直系卑属上は部外者でありますが、父親(長男)の墓を建立し、仏壇・法要も執り行っており、既成事実
としては、実子の役割を担っております。
私としてはAに相続名義変更についての異議はなく、第1相続権のある次女を始め他の直系卑属の者も遺言の経緯は知っており了承しています。
そこで、ご教授願いたいのは、法的効力のない遺言と、既成事実だけが拠り所でしかない、戸籍上は赤の他人Aが、この登記未了の相続財産を容易く取得できる方法なのです。
私案ですが、何年かその土地を所有しているという既成事実があれば、その土地を取得できる法律があるときいたことがありますが、直系卑属の誰もが暗黙の了解をしていることもあり、しかるべき手続き(必要な条件がどのようなものか分かりませんが)をして取得するのは無理でしょうか。
若しくは、唯一第1相続権者で存命の次女が相続登記して、その後Aに無償贈与するというのはどうでしょうか。税金が余分に掛かりそうですが。
ご回答のほど、宜しくお願いします。
回答
Aは長男との間の正式な婚姻関係にない女性との間の子供ですから、非嫡出子としての相続分(正式な婚姻関係から生まれた子供の半分の相続分)しかありません。ただし、父親から認知されていない場合は非嫡出子としての相続分は認められません。質問によればAは否認知ということですから非嫡出子としての相続分はありません。であれば曾祖父の相続人は相続系統図によると次女と長女の孫の゛私゛および長男の孫の゛子゛ということになります。゛私゛と゛子゛はそれぞれ長女と長男の相続分を数次相続の方法で相続できる事になります。
曾祖父の遺言が法律的に効力のないものとした場合、あなたが云われるようにAが曾祖父の土地を取得する方法としては、Aによる一定期間の土地の占有事実による゛時効取得゛という方法もあります。要件的には「不動産等の所有権の取得時効は、その占有者が自己の所有物と信じて不穏公然と他人の不動産を占有している場合、占有開始のとき、そう信じるについて過失がなければ10年、そうでないときは20年で完成する(同法162条)。ただし、占有者がこの利益を受けるためには時効完成後時効の援用が必要であり(同法145条)、権利者が時効完成を妨げるにはそのまえに明渡し請求など時効を中断(同法147条)させなければならない。」となっています。
もしくは次女が他の相続人との間できちんと遺産分割協議をした上、単独で相続した後にAに贈与する(贈与税は仕方ありません)方法も税金額を考慮に入れた上で考えられてはどうですか。
大田様
丁寧でわかりやすい説明ありがとうございます。
直系卑属の全て者に承諾を貰うのは大変な労力・時間・費用がかかるので、
時効取得が簡単・簡潔で最良の方法と思いました。
幸い関係者に異議を唱える者もおりませんので、スムーズに事が運ぶので
はと思います。この方法を薦めてみます。
ご多忙中のところほんとうにありがとうございました。