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私の母方の祖母(90歳)が、祖母の義弟の仲介で、ある不動産業者と

土地を売る契約をし、手附金100万を貰った段階で、契約した価格が

評価額の4分の1程度と安い価格だったため、手附の倍返しをして、

契約の解除をすることになりました。また、相手方が主張するに、測量

などに掛かった経費分も返せと言っています。

この経費分を上乗せしなければ、契約の解除は、出来ないのでしょうか?

本日の夕刻には、手続きをする予定です。お忙しいとは思いますが至急の

ご返答、御願いいたします。

阿蘇市 Sより

【回答】大田宅建事務所

手付は契約の解除権を留保する意味で交付されることがあり,その場合,買主は手付を放棄し(手付流し)又,売主は手付の倍額を償還して(手付倍返し)契約を解除できます(民法557条1項)

民法は通常,当事者の意思が不明なときは解約手付と推定しています。(民法557条1項)

 ところで,解約手付に関する民法557条1項の解釈で問題となるのは「当事者の一方が契約の履行に着手するまで」と,時期的制限を規定している点です。法がこのような限定を付した趣旨は,既に履行に着手したにもかかわらず相手から契約を解除されては困る,即ち解除されないと思って履行に着手した相手方の保護という点に求められます。ここから,相手方が履行に着手していない限り,自ら履行に着手していたとしても,解除権の行使は認められることになります。

ところで損害賠償についても契約に関する違約が売主による場合は、手付金を買主に返還するとともに、これと同額の違約金を支払うものとし,買主による違約の場合は,手付金は違約金として没収されることになります。そして、ここがあなたがおっしゃる部分なのですが、「売主又は買主は、履行の着手以後における相手方の契約不履行によって生じた損害が,前項の違約金額を超過した場合は、その超過分を請求することができる。」というのが損害賠償に関するものです。買手が土地の測量にかかった費用が売手が支払った違約金100万円で贖えない場合、つまり測量費が150万円かかったような場合に超過した50万円をあなたは買手から請求されるわけです。しかし、これには証明や証拠が当然必要ですし、測量費用が違約金をオーバーしていることを買手は貴方にも当然証明しなければならないわけです。測量費用が土地の広さや測量技術の程度によりある程度金額はどの業者に依頼しても一定額で決まっているはずですから、相手が費用をごまかしたりすれば専門の測量士等に聞いてみればすぐわかります。ごまかしが証明されれば当然100万円以上支払わなくてもいいし、逆に相手を「詐欺」として訴えることも可能です。以上、

 大田宅建事務所

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