熊本県菊池郡菊陽町の大田宅建事務所:ホームへ

[4] 始めまして martha 2001/01/23 19:07:50

今度健軍4丁目のたけみやアパートというところに引越しすることにしたのですが、その前に不安が、、以前他のアパートを問い合わせたところ、「ここは前の方が不幸があったのですが、よろしいですか?」聞かれ、ひるんでしまい、やめたことがあって、ちょっとそれ以来、気にするようになったのです。こういうアパートで不幸といえば、だいたい自殺、または殺人などをさすじゃないですか、それで、今回の不動産やさんが教えてくれるかわからないのですが、、一応聞いてみたら、「さあ、、そういう話は聞いてはいませんけど。。」と答えを濁し、でもぼそっと、「不幸はどこにでもあるけど、、」と言っていたのが、聞こえたんです!!えっ、どういうイミなの。。。。!と思って。。

いっくら、縁起をかつがない人だってそんな「事件」のあった部屋は怖いですよね!?

そこのアシスタントの方、ちょっとクチの悪いオバサンだったので、詳しく聞けずにひっこんでしまったのですが。。

もし!!このアパートのこと知っている人がいたら教えて下さい!!ここは「ワケ有りの部屋」じゃないどうか!

あと、不動産やさんってこういう裏情報って聞いて教えてくれるものなんでしょうか。。詳しい方、情報まってます!!

 

回答   大田宅建事務所  

引越をしょうとするアパートに何か因縁のついたことがあるのではないかと想像するだけでもいやなことですね。裏情報というか伝聞というか、そういう類のことに関しては私のアンテナはあまり優れておらず、お役に立たないとおもいますが、アパートの契約をして入居した後に想像どおりのことが現実にあったと仮定した場合の対処の仕方ぐらいはアドバイスできます。

アパートなどの斡旋業務をする街の不動産屋さんにも、宅地建物取引業法という法律の適用があり、賃貸借契約の締結にあたって事前に必ず物件についての「重要事項説明書」の顧客に対しての説明と交付が要求されています(宅建業法35条)。ただ、この重要事項説明書というのは法が要求する最低限の事項についての説明に留まり、あなたが言うようなその物件についての因縁めいたことまでの調査や説明までは要求されていません。ですから、仮に契約したアパートで自殺、または殺人などの凶悪犯罪が行われていたとしてもそれらのことを説明しなかった業者が法的な責任を問われることは有りません。

ただ、そのアパートが売りに出されていたりした場合には、裁判上判例でも「心理的瑕疵」になるといわれています。私の考え(錯誤による無効)にと判例が一致するものとして地裁レベルですが、一般通常人を前提として,万一その事実を知っていたならは゛買わなかったであろうと認められる背景事情は瑕疵に該当するとしています。(横浜地判平元・9.7判例時報1352号126頁)(東京地判平7.5.31判例時報1556号126頁)

 民法用語の中に「錯誤」(民法95条)というのがありますが、それによると、契約締結当時、「もしそういうことを知っていたならば契約をしなかったであろう」というようなときに、心理的な要素の錯誤を理由として後で契約の無効を主張できることがあります。契約の無効を後で主張して、それが認められるものであれば家主さんはあなたから預かった敷金の即返還・不動産屋さんは手数料の返還をしなければならないことになります。

ただ、「錯誤」というのは、それを主張して認められるためにはきちんとした要件に該当しなければならないので自分だけが無効だと思っていても、一般人の考え方からすれば無効とは言いがたいような場合には無効の主張は取り上げられませんから注意して下さい。

最後に、上記判例は、売主の責任に関することであって仲介業者の説明・告知義務については触れていませんので、仲介業者が,上記のような比較的古い数年前の自殺や他殺の事実を知った場合,当然,説明・告知義務の対象になるかは明らかでありません。