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売主の担保責任を加重する特約は有効か?条文の上をクリックすると根拠条文が見れます

 民法の売主の担保責任に関する規定は任意規定であり、強行規定ではありませんので、信義則に反しない限り特約によって加重することは出来ます。又、実際の取引では担保責任をまったく排除したり、民法570条の瑕疵発見後1年という責任追及期間を目的物引渡後1年というように短縮している例もあります。なお,不動産の売主が宅建業者の場合には,買主保護のために目的物引渡後2年以上となる特約をする場合を除き,民法570条,566条3項に規定するものより買主に不利となる特約をしても無効とされています。(宅建業法40条

 注意すべきは「目的物引渡後2年以上」という特約をした場合,期間は確かに民法の規定よりも長くなっていますが,その起算点が民法では事実を知った時であるのに対して,この特約では目的物引渡の時ですから,例えば建物に居住後3年たってはじめて欠陥を発見した場合などは,民法の原則ならば責任を追及できますが,この特約があると出来ないことになります。