宅建業者が法律で罰せられる行為とは?条文の上をクリックすると根拠条文が見れます
宅地建物取引業者の罰則の対象となる行為と罰則の内容としては、
T.3年以下の懲役若しくは50万円以下の罰金又はこの併科となる行為
A業務停止命令違反(宅建業法79条4号・ 同法65条2項・4項 )
2.1年以下の懲役若しくは30万円以下の罰金又はこの併科となる行為
@故意に重要事項を告げず、又は不実のことを告げる行為、不当に高額の報酬を
要求する行為(宅建業法80条・ 同法47条1号・2号)
3.6月以下の懲役若しくは20万円以下の罰金又はこの併科となる行為
@営業保証金の供託済届出前の事業開始(宅建業法81条・ 同法25条5項)
B宅地建物の登記若しくは引渡、又は取引の対価支払の不当な遅延行為(宅建業法81条・ 44条)
C手付についての貸付その他信用の供与をすることにより契約の締結を誘因する行為(宅建業法81条・.47条3号)
4.20万円以下の罰金
@他人に名義貸しの表示又は広告をさせる行為(宅建業法82条2号・ 13条2項)
5.10万円以下の罰金
@宅地建物取引業者名簿登載事項の変更届を提出せず、又は虚偽の届出をする
A業務標識掲示場所について届出をせず、又は虚偽の届出をすること(宅建業法83条1号・9号)
B売買等の契約成立の場合の法の要求する書面を交付しないこと(宅建業法83条2号・ 37条)
C建設大臣の定めた報酬額を掲示しないこと(宅建業法83条2号・ 46条4項)
D従業者に従業者証明書を携帯させずに業務に従事させること(宅建業法83条2号・ 48条1項)
E宅地建物取引業者の標識を掲示しないこと(宅建業法83条2号・ 50条1項)
F守秘義務違反(宅建業法83条3号・ 45条・ 75条の2)
G従業者名簿の不備、不記載又は虚偽記載(宅建業法83条3号の2・ 48条3項)
H帳簿の不備、不記載、虚偽記載(宅建業法83条4号・ 49条)
J検査拒否、妨害又は忌避(宅建業法83条6号・ 72条1項)
取引士の罰則の対象となる行為と罰則として
T.10万円以下の罰金
@虚偽の報告(宅建業法83条5号)
2.5万円以下の過料(懲役や罰金が刑事罰であるのに対して、過料は行政罰)
@登録が消除されたとき、又は取引士証が効力を失ったときに、知事に取引士証を返納しないこと(宅建業法85条・ 22条の2第6項)
A事務の禁止処分を受けたとき、取引士証を知事に提出しないこと(宅建業法85条・ 22条の2第7項)
B重要事項説明の際、取引士証を提示しないこと(宅建業法85条・ 35条3項)
以上、宅建業者は、違反行為を防止するため、当該業務に対し相当の注意および監督を尽くしたことの証明(免責事由)がない限り、処罰の対象となります。
さらに、宅建業者は不動産売買という高額の取引に関与する関係上、取引の当事者から契約上のトラブルについて相談を受けることが多く、このような場合、弁護士法違反の罪について注意が必要です。つまり、弁護士でない者は
@報酬を得る目的を有すること
A他人の法律事件(訴訟事件、非訟事件、行政不服申立事件等一切のものを含む)
について法律事務(鑑定、代理、仲裁、和解等)を取り扱うこと
B他人の法律行為について周旋すること
C AやBを業として(反復継続し、あるいはその意思をもって行う行為)行うこと
という要件を充たす行為を禁止されており、違反した場合には、2年以下の懲役又は100万円以下の罰金が課せられることになっています(弁護士法77条)。もちろん、不動産に関する正しい知識を無償で相談者に提供することは、罰則に触れるものではありません。